介護という現実

障害者になっても変わらず交流できるか

現実によくある話を題材にしている話が多いKISSですが、東京タラレバ娘などと比べるとパーフェクトワールドの方が実体験で起こりうる可能性は十分にある話だ。幸せ一杯の新婚家庭を突如襲う夫、もしくは妻の事故、それによってパートナーが何かしらの障害を負うことになってしまったとなったら、それだけで覚悟が求められます。病気にしてもそうだが、難病は夕に及ばず、癌などの重い病気を患った後というのは体調変化に気をつける必要があります。一緒に生活をしている以上、些細な変化も見逃すことができないため心労を伴う人もいる。

ですが誰も望んで障害者だから好き、などといった事をいう人はいないでしょう。逆に人権侵害しているのではないかと疑われる発言だが、例えハンデがあっても好きであることに変わりない、それは素晴らしいことだ。ですがそれだけで現実問題全てを乗り越えられるかといったらそんなことはありません。例えばもし、恋人同士で最終的に結婚をするとなったら親族に止められたという人もいるでしょう。それは何も無理やり引き離そうとしているのではなく、実際問題として障害と向き合うというのは非常にデリケートな問題だからだ。

好きという一言では解決できない、あらゆる意味で『一生涯を共にするパートナーの支えになる』こと、それが必然と課せられるのです。

一生支えるという重み

大げさな話ではありません、障害を負う人と共に生きていくと選ぶこと、それはあらゆる場面でその人を助ける必要があるという意味だ。パーフェクトワールドの場合、足に障害はあっても、なんとか建築士として活動している樹。けれど職業柄どうしても現場に赴かなければならないため、樹は車椅子を押してなんとか建築予定の土地を回ります。これだけでも相当の労力を伴います、仕事があるだけマシと思う人もいるでしょう、なにせ障害という偏見だけで仕事をしたくても出来ない人など珍しい話ではないからだ。

足が動かないだけで、などと簡単に言えるものではない。満足に動けないというだけで人は自分とは違うものを忌み嫌うもの、悪意でなくても社会の総意となっている面があることも知ることになります。つぐみはそうした面を最初はまるで分かっていなかったため、戸惑うことも多く、それでも乗り越えようともするが立ちふさがる壁の高さは彼女が想像する以上のものだ。

仕事も自由にできず、これから生活していくにしてもパートナーの助けがなくてはならない、そんな伴侶と共に生活していくことというのは、それだけ負担を伴うものなのです。

別れる人も多い

愛しているけどこれからもとは言えない、苦渋の決断の末に離別という道を選んでしまう人たちもいます。互いに話し合った上での決定であれこそ、嫌い合っているわけではない場合は心が痛む。傍から見れば途中で投げ出すのかと言いたくなるかもしれませんが、そう容易い問題ではないのは言うまでもありません。樹を例にしても自宅はすべてバリアフリー対応にしなければならず、排泄をするにしても自分一人では満足にすることも出来ない、だからこそ介護をする人が必要になってくるのだ。

それらは愛があればなんとかなる、などとキレイ事で解決出来ません。それを一番痛感させられているのは、これから介護してもらう側もだ。

負担は掛けたくない

自分のために人生を犠牲にしてほしくない、障害を持つ人はそう思うものです。愛し合っているからどうにかなる、これから先結婚してもずっととなっては果てのない船出となります。実際、障害を負っている人の中には、恋人に障害を告白できないと悩みを抱えている人もいる。もし言ってしまえば破局してもおかしくないと考え、聞かされた方も覚悟が求められるからだ。

パーフェクトワールドではそうした障害を持つ好きな人と共にすべてを乗り越えられるか、そんなテーマが話題を集めているイチオシ作品となっています。

偏りはあれど

きみはペットや東京タラレバ娘、そして広い世代から愛されたのだめカンタービレ、またリアルな問題に抵触しているパーフェクトワールドといった、そんな作品を多く抱えている雑誌KISS。女性は絶対に共感できる、とは一概に言い切れないものの、中には本当にあるかもしれない問題を取り扱っているものも多い。内容は賛否両論を招くものもありますが、名作が埋まっているかもしれないので、気になる作品があれば一度見てみると良いでしょう。

弩級の作品を生み出し続ける漫画雑誌KISSから生まれた名作たち